私は学生時代に、様々なアルバイトをした。
その中でも一番危険で、体が汚れるバイトがあった。
永井君は実家がメンテナンスの 会社を経営していた。
友達を通じてバイト話があった。
「大橋さん4時間で1万円になる凄い仕事がある!」
後輩の木島君が持ってきた。
「どんな仕事?」
「大きいフィルターを担いで、地下鉄に入ってゆくんです」
「それで?」
「時々保線区の台車が、すれ違うんです!」
「それって危なくない?」
「大丈夫です。拘束時間は長いが、フィルーターをはずし新しいものに交換するだけですから!」
後輩とそんなやり取りがあり、高額なバイト代につられ、参加した。
移動する車の中は、会話がなくおもぐるしい。
地下鉄の中に入ったことのある人間はそういない。
縦横約一メートルの白いフィルターと、汚れたものを交換する。
マスクはするが、粉塵を吸い込むおそれもあり長くはできないことは、かんじていた。
縦に5段横7列のフィルターは、チームを組まないと、できない仕事だ。
それを終え、事務所でシャワーを浴びる。
穴という穴に汚れが入り込み、爪の中も真っ黒になった。
仕事をおえ、木島君と始発を待って小田急線で下宿に帰った。
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