仲良しの先輩から仕事に依頼がまい込んだ。
私がすんでいる伊達市は原発事故による放射能の拡散で、地元におおきな問題をもたらした。
伊達市では、いち早く除染の事業を開始した。
「絆事業」と呼ばれる除染活動がスタートし、その作業員を募集していることを知った。
初めての仕事は一歩踏み出すまでに勇気がいる。
私は友人を誘い、除染活動に参加した。
その現場は小学校のプールで、プール内の水の放射能値を計測し土壌を濾し土嚢に詰める。
プールの水はゼオライトなどを入れ、河川に流していい基準値まで水を浄化した。
そこには東○大の博士も除染の研究に参加していた。
博士は東京からベンチャーの企業体を立ち上げ、自ら除染に適した素材の開発のために福島に来たそうだ。
8月の猛暑の中、2人の博士は真剣に計測、研究を重ねていた。
T博士が東京に帰る際、名刺を頂ける機会に恵まれた。
T博士が帰ったあと、メモらしきノートが玄関に置かれていた。
私はすぐT博士のものだとわかった。
すぐに電話をしたが、すでに博士は電車に乗り込んだ後だった。
メモは郵送してください、電話で博士は穏やかに私におっしゃった。
そのあと、私は博士のメモを郵送した。
そんなきっかけで、私は博士とのご縁を頂いた。
先日、直接T博士からお電話を頂いた。
テレビや新聞の報道で伊達市から放射能米が出たことを博士は知った。
博士は地形などを確認して、研究の拠点を探しているという。
それで今日、博士は東京から助手の方を連れ、伊達市を訪れた。
友人に依頼し、放射能値が高い地域を案内し、除染の状況などをお二人に見ていただいた。
行政が行う目的の見えない除染活動とは違い、T博士は現状を細かく分析しさまざまな見地から最適と思われる方法で、除染をすべきだという考えをお持ちのようだった。
帰りに食事をしながら、「地域の住民の方がどのような形になれば安心するか」ということについて、T博士からお話をお伺いすることができた。
博士は放射能を吸着する素材を細かく粉砕し、特殊な布に練り込む新たな製品を開発している。
河川からながれる放射能をその特殊な布に付着させ、フィルター代わりにする計画があるという。
実際その効果を検証中で、データがまとまり仮説が実証できれば、製品の生産も本格的に軌道に乗るとのことだった。
地域の住民にひとりとして、T博士が取り組もうとしていることについて私なりに理解を深め、これからも博士の取り組みに協力できればいいと思った。
Posted by Masayuki Ohashi (^O^)/
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