私の近所に、書道教室があった。
小学校のころ、母は私に書道を習うように勧めてくれた。
机が並べられ、決まった曜日に通っていた。
暑い時期に正座をすると、あせをかいた。
持参したタオルを足のハサミ、硯に向かい墨をする。
おこうのような香りが、今でも鮮明に蘇る。
私は習いごとは続いたためしがない。
だがその中で、「書」は私にとって大切なものになりつつある。
日本には素晴らしい文化がたくさんある。
きょうおじさんが、家においでになった。
おじさんは 夏になると扇子を持ち歩く。
私も真似をして、引き出しに入れてあった扇子を取りだした。
書を進め、週に一度は硯に向かうようになった。
200枚あった書道の紙がなくなった。
和紙で作られた、薄黄色色の紙は書き心地がいい。
その紙は おじさんのところでしか手に入らない。
ゆっくりと書に臨めば、時間がゆっくりとながれる。
毛筆で文字を描けば 何とも言えない心地になるのが 書の魅力かもしれない。
0 件のコメント:
コメントを投稿